2026年もサマープログラムを開催します!
詳細を随時更新していきます!(2026.2.10時点)
- 期間
①2026年8月1日(土)〜7日(金)
②2026年8月10日(月)〜16日(日) - 主テーマと担当講師
①『アンカヴァリング・ザ・ボイス(仮)』<講師:平井久仁子 氏>
②『羊毛の手仕事part2(仮)』<講師:藤間三賀枝 氏> - 講師からのメッセージ
①平井久仁子氏より
声とともにあった、私の原風景祖母をはじめ、父も母も、家族みんなが歌うことが大好きでした。
親戚が集まる新年会では、だれからともなく歌が始まり、皆で声を合わせたり、
順番に一人ずつ歌ったり。
私は叔父や叔母が歌う民謡や流行歌を耳で覚え、みんなの前で披露する子どもでした。
拍手喝采でもう一回歌ってと言われるのがすごくうれしかったです。
そして今でも、父が耳元で歌ってくれた子守唄をはっきり覚えています。
音楽が「怖いもの」になった時代ところが、小学校高学年で音楽が専科の先生に変わってから、
音楽は少しずつ私にとって緊張の対象になりました。
クラス全員の視線を浴びながら前に出て笛を吹くテスト。
指が固まり、歌も以前のよ うに自由に歌えなくなり、中学3年まで
通信簿はずっと「2」でした。 高校では、自然と音楽から距離を取るようになりました。
それでも心の奥では、楽器を自由に鳴らしたい、思いきり歌いたいという憧れが
消えることはありませんでした。
「私の声って、これなの?」という不思議
声への関心は、もっと幼い頃から始まっていました。
幼稚園の時、父が買ってきたテープレコーダーで家族の声を録音したのです。
父や母、弟の声はいつも通り。でも、私の声だけが、私が知っている「私の声」と
まるで違って聞こえました。 「これ、本当に私の声?」
家族は皆「そうだよ」と言う。
その瞬間、私が聞いている私の声と、他人が聞いている私の声は違うと気づきました。
この小さな驚きが、私の一生のテーマの芽になりました。
Uncovering the Voice との出会い
33歳の時、運命の講座に出会います。 ドイツからラインヒルト・ブラス先生が来日され、
2日間の「Uncovering the Voice」 講座が開催されました。
私は偶然そのお手伝いをすることになり、半ば気が進まないまま参加しました。
当時の私にとって音楽とは、「間違えずに、正確にやらなければいけないもの」だったからです。
ところが、先生のつくる音楽はその価値観を一瞬で壊しました。
歌いたいと思った人が、ただ楽しく歌っていい世界。
私は胸がひらくような解放感を味わいました。
さらに質問を重ねるうちに、この歌唱法が療法としても使われていることを知りました。
母音と子音の音の形成力と響きを身体と心に作用させていきます。
幼い頃に感じた「声の神秘」に、再び灯がともった瞬間でした。
フィンランドとドイツでの学び
私はフィンランドのラウルコウルに入学し、Uncovering the Voice の基礎を学び、
卒業後はドイツで歌唱療法を学びました。
このメソッドの源流にいるのは、スウェーデンのオペラ歌手ヴェルベックです。
彼女は声帯に麻痺を起こし、話すことさえできなくなりましたが、
Ngという鼻音を手がかりに、声を再生する旅を始めました。
Ng は声帯から遠く、鼻腔の奥で響き、そのまま頭上へ抜ける音です。
かすかな響きから始まり、母音、子音と重ねながら、
彼女は声をよみがえらせていっ たのです。
「響きの世界」というもう一つの王国
その過程で、ヴェルベックは様々な不思議な体験をします。
例えば、声が体の内から出ているのに、同時に
体の外から自分へ向かって返ってくる ように感じたり。
彼女はやがて、音とは別に「響きの世界」があると気づきました。
Uncovering the Voice の練習では、その響きの世界に耳をひらくことを大切にします。
響きは物理的な耳では聞こえません。 音が鳴って、はじめて姿をあらわす世界です。
母音や子音の形をそのまま身体でつくると、その形にふさわしい響きが現れます。
でも、準備ができない場合は、その準備不足な響きしか現れてくれないのです。
そのために、舌、唇、顎、腹部、背中、横隔膜までを母音と子音で整えていく
エクササイズを行います。 雲の上から、すぐ隣へ学び始めた頃、私にとって響きの世界は
雲の上にあると思っていました。
そして、それは「あるらしい」と信じて想像することから始まりました。
でも、練習を重ねるうちに、それはすぐ隣にある世界に変わっていきました。
私は響きの世界は、蜘蛛の糸のようだなと思います 。
意識を澄ませなければ素通りしてしまうけれど、
気づいた瞬間、そこに確かに在ることを教えてくれます。
響きも同じで、気づいてくれた人がいると、響きはうれしそうにその姿を開示してくれます。
最初は細い絹糸のような響きとの繋がりは、やがて太く確かな結びつきへと変わっていきます。
響きはパワーで押すものではなく、響きは育つものなのです。
だからその響きが育つのを待つということも練習の大切な一部です 。
声は生まれながらにして完全
ヴェルベックは、人の声は生まれながらにして美しく完璧だと確信していました。
しかし、残念ながら生きる中で、私たちはその声に何枚も覆いをかけてしまいます。
ですから、その覆いを一枚ずつ外していけば、本来の声が戻ってくるのです。
私は歌唱療法士として、多くの方の声に立ち会ってきました。
肺の病を抱える方の声の中にも、ふとした瞬間に、
息をのむほど美しい響きが立ち上がることがあります。
「声そのものは決して病まない」とヴェルベックは言いましたが、 私もそう信じています。
三つの響きと、人の内面
ヴェルベックは、声の響きには三つの方向性があると言います。
1. 中心を貫き、天と大地をつなぐ響き。
2. 自分の周囲へと広がる拡散の響き。
3. 中心から鏡のように四方へ散る反射の響き。
そしてそれぞれが、 思考、感情、意志と深く結びついているのです。
歌うことが、心と身体に橋を架ける
歌うことは、気持ちを慰めたり、元気をくれるだけではありません。
体温や神経を整え、深層意識へと橋をかけ、
私たちを構成しているエレメントと感覚の世界をつなぎ直してくれます。
声は、その人の神性そのもの。
私は、そう感じながら今日も声に耳を澄ませています。
この夏の講座では、 そんな「声の本来の力」に、
参加者一人ひとりが静かに出会っていく時間をお届けし ます。
そしてその力が、すでに自分の中にあることに気づいていただけたら、
これ以上の喜びはありません。
<2026年1月 アトリエ・カンテレ 平井久仁子>
②藤間三賀枝氏より
色彩ということに焦点を当て、
「草木染めを通して色彩と出会う」
おひさま染め、鍋で染めることの体験から熱と光を考える。
「ものづくりと色彩」
編み物:色の質に向き合いながら小さなものを作る。
→棒針編みの初心者の方にも、楽しく取り組めるようなシンプルなもの作り - 申し込み開始
2026年 3月5日(木)
